トップ
2004. 1.22.Up Dated.
J-REITの格付け
  
JREITも、JRE(8952)、NBF(8951)に続いて、JPR(8955)が格付けを取得しました。
3社のS&P社の格付は次の通りです。

投資法人名 証券コード 長期 短期
ジャパンリアルエステイト投資法人 8952 A+ A-1
日本ビルファンド投資法人 8951 A A-1
日本プライムリアルティ投資法人 8955 A- A-2
※長期格付・・・AAA、AA、A、BBBが投資適格
  短期格付・・・A-1、A-2、A-3が投資適格


この格付けは、基本的にデット部分(借入や社債)の債券に対しての信用度であり、エクイティ(JREITの場合は出資口)に関しての格付けではありません。
それでも、投資家はこの格付けを投資情報として利用していますが、エクイティが期待する成長性や、パフォーマンスの向上に直結している訳ではないのです。
JREITの各銘柄も、格付取得については慎重な姿勢を持っていて、デット部分のために、あえて取得する理由がないとの考え方もあり、既に10銘柄に達したJREITでも、ようやく3銘柄が取得しただけという現状です。
筆者も資産運用会社から格付取得について意見を求められることもありますが、その都度、「財務戦略」のためのツールだと答えています。
一方、投資家の方は格付けを気にしている人もいるようですが、エクイティ投資行為に対しては参考程度と見ておくべきです。
格付の設定には、LTVが一つの目安になっているようですし、また、オリジネーターの信用度も加味されるようですが、現在のJREITはDSCR(金利の支払能力)が軒並み8倍以上になっていますので、本来、大きな格差は生じないとも言えます。
オリジネーターの信用度については、投資法人とは制度上分離されていますが、万一の時は、劣後出資者等として期待できるという意味もあるようです。
細かく見れば、LTVのV(Value)が一定の基準で揃っていませんので、この比率自体も目安程度ですし、オリジネーターの株主から見れば、安易に考えられては困るということもありますので、JREITの格付け自体未成熟だと言えます。
次へ >>