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2003.10. 2. Up Dated.
  注目されつつある不動産投資
  
最近、不動産投資という言葉を新聞等でもよく見かけるようになりましたし、筆者にも「不動産投資」についての講演や執筆依頼が増えています。
不動産投資が注目を浴びている原因はいくつかありますが、一つには投資家の考え方が進歩しているのも大きな要因です。
従来の主要投資商品である、株式と債券の相場を見ていると、逆相関になっていますので、株式と債券への投資分散では投資効果が相殺されてしまいます。
そこで、株式や債券との相関関係の弱い投資商品を組み込むことで全体としての投資効果を上げようとするのが、不動産投資への流れです。
不動産投資は、債券投資が主流の時は、相対的利回りの良さで注目されますし、株式が主流の時は中長期的な安定性を狙った投資先として見直されます。
また、不動産投資そのものが、将来の土地の値上がり益を期待する投機から、期間収益を重視した仕組みに転換されつつあることも挙げられます。
債券等と同じように、不動産から生じる収益で投資利回りを計算することもできるようになりましたし、不動産投資にキャップレート(単年度NOI収益÷取得価格)を使う方法も広がりつつあります。
個人レベルでも、自らの住宅を購入するか借りるかということを真剣に悩む人も増えてきており、従来の持家単一思考ではなく、トータルで不動産購入を見直そうという動きも出ています。
このような不動産投資の流れは、今後も強まると考えられますが、投資となると、株式や債券に比べて圧倒的に情報とプレイヤーが不足しています。
前回のコラムで述べた不動産取引価格公開制度もこの流れに沿った動きではありますが、不動産情報を生で提供しても、そのままでは投資判断には結びつかないことが問題なのです。
情報を与えれば判断できると言うのは、今日のパソコンの普及を考えると、一見もっともらしい考えですが、パソコンにもCPUという情報を処理する機能があるから可能なのです。
不動産投資も同じで、情報を集めて処理し、それに軽重を付けて演算しなくては答えが出ません。 他にも、基本ソフトやアプリケーションソフトに該当する、統一した見方や、情報処理手法も必要です。
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