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〜 Tea Break 〜 (不動産事業の内側)    
  
こんな会議を1ケ月近く続けて、そろそろお互いの体力の限界が近づいたところで、
「そろそろ決めなくてはならない時期ですので」
「決まるまで、徹夜で協議しましょう」という提案が出されます。
「お互い会社に戻って、徹夜の準備をしてから集まりましょう」
「決まるまでは、2日でも3日でも徹夜になりますね」と脅しが入ります。
そして、いよいよ会議が始まりますが、各社2〜3名の担当者を用意して集まりますが、中心になって発言するのは大抵1社1人です。
初日の会議は、本当に徹夜になりましが、もちろん決まりませんから、翌日に続きます。
ここで、建築会社から、一旦休憩して、午後から再開しましょうという提案がありました。実は、建築会社の担当も、大筋で上司の了承を取り付けていましたが、その合意案を出すタイミングを図っていたのです。 午後からの会議も同じ状況で進みますが、夜に入ろうとしたところで、建築会社の担当から、「設備仕様等は呑みますから、販売価格を5千円上げて下さい」という提案がありました。 既に皆疲れていますから、ここらで妥協という雰囲気になりましたが、事業主Bから強硬な反対意見が出されました。
「販売価格は決定済みだから変えられない」
「それでは、再度販売価格会議を開き直しましょうか」 と威勢の良い発言が出ました。
皆、販売価格会議、設備仕様会議と積上げてきていますので、また元に戻って販売価格の再協議と なるとさすがに辟易します。
「いやいや、取り敢えず最初の販売は決められた価格ということにして、その後の販売で再度見直すということで宜しいのでは」と建築会社(事業主A)が妥協します。
これでようやく各社の妥協が成立しましたので、引き続き簡単な懇親会に入りました。
その時、建築会社の担当の方から言われたことが今でも印象に残っています。
「私も技術者ですから、良いものを作りたかったのですよ」
「それにしても、これだけの建物をこの販売価格で造って、得をするのはお客さんですね」
ようやく長くハードな打合せが終了し、事業が本格的にスタートしましたが、不思議と一体感のある共同事業になりました。
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