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2003. 1.30.Up Dated.
−不動産投資とは何か(その2)−

初期のワンルーム投資
前述の不動産投資取引に比べると、初期のワンルームマンション投資はかなりの点で相違があります。
ワンルームマンションも、最初はセカンドハウス等の実需要中心として分譲されていて、不動産投資という考え方は強くありませんでした。
そのワンル−ムマンションが投資として脚光を浴びたのは、個人所得の損益通算で税金 (所得税)が軽減されるということでした。 簡単に言うと、住宅ローンでワンルームマンションを購入し赤字を出して所得税を軽減するという手法が主目的ですので、投資と言うよりは節税商品という位置付けにありました。
この取引は、旧大蔵省が損益通算を厳格化したことで一気に下火になり、その後は金融機関もワンルームマンションの購入者には住宅ローン融資をしなくなり、市場が縮小しました。 元々、ワンルームマンション投資は節税商品として拡販されたという歴史がありますので、利回りも大して問題とされず、資産価値の算定も曖昧でした。

従来の実物不動産投資のまとめ

  • 不動産投資は不動産業者中心にして行われていて、投資リターンは土地の値上がり益に依存していた。
  • 行政サイドによる規制変更や税制適用の影響を注視しつつ、手仕舞いのタイミングを図る短期型ビジネスであった。
  • 不動産投資家と言える存在も少なく、また不動産投資市場という市場もない限られた範囲でのニッチ(隙間)ビジネスであった。
  • 不動産投資事業は継続的に行うビジネスではなく、環境の変化を絶妙のタイミングで見極めて上手に売り抜いて、リスクを他に転化することによって最大の利益が得られる投資行為であった。(事業展開と休止を繰り返すビジネスとも言える)
このように書くと読者も理解されると思いますが、従来の実物不動産投資は素人が手を出すものでもなく、不動産に精通し、かつ商機を的確にとらえられる者以外にはリスクが高いビジネスとも言えたのです。 従って、不動産業界の中でも不動産投資を行う業者は限られており、栄枯盛衰の激しいビジネスとして考えられていました。

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