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−不動産投資とは何か その1−

実物不動産は仮需要

元々、不動産業界では、居住用の不動産等を取得する実需要と、投資用不動産を取得する仮需要を分けて考えており、不動産開発は実需要を主体にして行ってきました。
従って、投資仮需要者(投資家)は実需要向きに供給された不動産を、投資という視点で再吟味して取得するという取引形態になっていました。
不動産投資家が仮需要者というのは、いずれは実需要者に転売して転売利益を得るという目的の中間的所有者という考え方に他なりません。


過去の不動産投資の類型

不動産業界の中で、不動産投資需要というのはバブル以前では多くありませんでした。 その多くは、高級マンションを中心として複数所有し、仲介市場で売買して転売益を追求するタイプの投資家で、個人資産家や一般事業会社が中心となっていました。
この他にも、不動産投資と考えられる以下の取引が過去に存在していました。
◇キャッチボ−ル取引投資
土地価格の上昇局面で不動産会社同士が行う取引で、更地(建物の建っていない土地)を中心として扱い、業者間で転売を繰返す事で土地価格を吊り上げて、最終的にデペロッパ−に転売する形態です。
◇下取り取引投資
バブルの初期に多く存在した取引で、新築分譲マンションの買替え購入者の所有する持家を査定価格の70%程度で取得し、リニュアル等を施して中古市場で転売する取引。
◇新築在庫取引投資
数は多くありませんでしたが、デペロッパ−の販売した新築マンションの完成在庫を割引価格で取得し転売する取引。
これらの取引を行う者は、何れも不動産業者であり、当然プロと見なされますので、いわゆる業界内取引として行政サイドも見ていて、過熱防止に国土利用計画法による取引規制や超短期重課制度、特別土地保有税等の税制を適用していました。
また、これらの不動産取引を可能としたのは、不動産業者に事業資金を融資する金融機関の 存在が大きかったのです。
大半の不動産業者は、金融機関からの借り入れでこれらの取引を行っており、短期で大きな転売利益が見込める不動産取引に積極的に融資している金融機関もありました。

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