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2003. 6.12. Up Dated.
−J-REIT株価推移をどう見るか(その4)−    
  
J-REIT各銘柄を株価推移から見る

◇オリックス不動産投資法人(OJR)/8954
2002年6月に上場したJREITファンドで、オリックスという金融系オリジネーターを設立母体としています。
オリジネーターが初の金融系ということで、組成資産の内容も、オフィスビル・住宅・商業施設と収益性のある不動産に幅広く投資する総合型ファンドとして登場しましたが、この戦略にやや誤算があったことと保有資産の不動産評価の面で上場来株価は低迷を続けています。
株価が上場時の公募価格520千円/口を上回ることが少なく、JREIT6銘柄の中では、最も厳しい評価となっています。
この原因は、不動産に対する見方と運用能力に疑問符が付けられているという見方もできますが、総合型ファンドという資産運用が難しい組成をしたことも響いていると思われます。
市場がファンド戦略と運用能力を見て評価していると考えれば、株価の低迷はもう少し続くと考えられますので、配当実績を積み上げるか体制的に余程強化しなくては株価の反転は考えにくいとも思われます。
但し、この銘柄は投資家に対する情報開示については当初から積極的姿勢を保ち続けておりますので、この銘柄の特徴や課題、問題点を把握しておけば株価の推移が読みやすい銘柄だとも言えます。 また、この銘柄の特徴を知ることでJREITの評価ポイントとは何かということも理解できるので、JREITへの投資の第一歩として研究されると良いと思います。

◇日本プライムリアルティ投資法人(JPR)/8955
旧安田系企業がオリジネーターとなって設立したファンドで、不動産業界からは東京建物が参加しています。
この銘柄は、投資口を20万円という小口にして募集したという点が最大の特徴になっていて、JREITの役割でもある個人金融資産の呼び込みに挑戦したファンドだとも言えます。 他の特徴としては、リスク分散を意識した資産保有を行っていて、地域的な分散やテナント分散を行いつつ、全国主要都市のオフィスビルと東京の都市型商業施設を組み合わせています。
この特徴は市場でも好評価を得ており、上場来の株価も堅調で、JREITでは優良銘柄とも言えるかもしれません。
最近では、大阪(梅田)の「ロフト」をテナントにした商業ビルと東京(渋谷)の「タワーレコ−ド」をテナントにした商業ビルを続けて取得しており、保有資産に占める商業施設の割合を高めていますが、個人投資家にとっても身近な施設を保有することは、このファンドの戦略に合致しているとも言えます。
JREITの投資家にとっては、この銘柄を研究すれば、JREITの本質や今後の戦術的課題が見えてくると思いますので、長期にわたりJREITへ投資しようと考えている方は、是非詳しく見ることをお勧めします。
また、株価推移も今後しばらくは現在の基調と変わらないと思いますので、これからJREITへ投資をする方にとっても入りやすい銘柄だとも言えます。
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