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2004. 4.30.Up Dated.
リスク・スプレッド
  
投資対象のリスクとリターンを考えるときに、リスク・スプレッドという見方があります。
これは、投資リスクが0だと考えられる国債の利回りとの差を見る考え方で、投資対象となる商品のリスクを考えて、国債利率に何%上乗せするかということになります。
仮に、国債の利率が1%とした場合、2%が上乗せされる投資商品があるとすると、この商品は3%の年間利回りになるような価格で取引されます。
ここで気をつけるべき点は、今の低金利時代に3%の年間利回りは魅力的だと速断するのではなく、この商品はリスクをディスカウントとすると1%のネット利回りだと考えることです。
もし年間利回り10%の商品があれば、それは投資リスクが国債と比べて9%も上乗せが必要な高リスク商品だと言うことで、単に、表面利率の多寡で投資判断を行わないことです。
但し、リスクの読み方は人によっても多少異なりますから、どの程度のリスク・スプレッドが必要かという投資家の判断に多少の偏差は生じます。
この辺が投資の妙味ではありますが、あまり妙味ばかりを追っていると、何れ火傷するというのは投資に限ったことではありません。
ちなみに、今のJREITのリスク・スプレッドを見てみると、おおよそ以下の通りになっています。
銘柄コード 4/23終値 予想配当率 リスク・
スプレッド
銘柄名
8951 818,000 3.33% 1.83% 日本ビルファンド投資法人
8952 780,000 3.64% 2.14% ジャパンリアルエステイト投資法人
8953 724,000 3.87% 2.37% 日本リテールファンド投資法人
8954 614,000 4.50% 3.00% オリックス不動産投資法人
8955 291,000 3.85% 2.35% 日本プライムリアルティ投資法人
8956 623,000 3.53% 2.03% プレミア投資法人
8957 660,000 4.24% 2.74% 東急リアル・エステート投資法人
8958 730,000 4.68% 3.18% グローバル・ワン不動産投資法人
8959 672,000 3.83% 2.33% 野村不動産オフィスファンド投資法人
8960 597,000 4.16% 2.66% ユナイテッド・アーバン投資法人
8961 792,000 3.80% 2.30% 森トラスト総合リート投資法人
8962 563,000 4.03% 2.53% 日本レジデンシャル投資法人
※リスク・スプレッドは10年国債の利回り(1.50%)から算出

4/23の終値で見ると、1.83〜3.18%の間に分布していますが、JREITに必要なリスク・スプレッドがどの程度かは、まだ定まっていない感もありますので、銘柄によってかなり幅があるのが現状です。
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