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2004. 3. 4.Up Dated.
高所恐怖症
  
高い所が怖いのを高所恐怖症と言いますが、誰だって高い所は怖いはずですが、どの程度の高さから怖がるのを恐怖症と言うのでしょうか。
私も、仕事で建築中の建物の最上階に上がることもありましたが、周囲に何の囲いの無い所はやはり怖いです。高い所は、先ず不安が先立ちますし、万一落ちたらという気持が起きますが、これは人間としてはまともな精神ではないかと思います。

なぜこんなことを書く気になったのかは、REITの最近の株価を見てですが、資産運用会社の中には同様に高所恐怖症気味のところもあるのではと思います。
かつては低迷していた株価が急に上がり始めた銘柄や、上場来一貫して株価が上昇し続けた銘柄の資産運用会社の責任者から、「高所恐怖症です」という言葉を聞かされました。
資産運用会社では株価をどうこうすることは出来ませんが、その上下にはいつも気を遣っていて、理由なく上がったり下がったりすると不安に駆られます。
もちろん、中にはそういう神経が弱かったり、逆に悪く言われたりすることを極端に嫌って、ひたすら平穏無事であればそれだけで良いという銘柄もありますから、REITも12銘柄になると一様ではありません。
REITの資産運用の実務を見れば、何かによって一挙にパフォーマンスが上がったり下がったりすることはありませんし、また、いつも課題を抱えていますので、株価が一本調子で上がると「何故だろう?」と思うのも当然とも言えます。
REITの本来の見方としては、
  • 保有資産の質
  • 経営者(資産運用会社)の力量
  • 財務の健全性
と3つの要素が重要ですが、これは何れも完璧はありませんから、資産運用会社はいつでも不安と課題を抱えることになります。
ところが、JREIT市場が好調に推移し始めて、証券関係とも友好関係が出来始めると、あまり厳しい見方や意見は聞こえてこなくなります。 また、日本の大口投資家は注文も付けませんから、段々と平和ぼけして高い所も怖くなくなります。
そのうちに、自分たちの力量を実力以上に見てしまうようになり、最後は傲慢になってしまうということも無くはありません。
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