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2004. 1.29.Up Dated.
REITの銘柄分析の視点
  
東証に上場された銘柄が10件に達し、近々、森トラスト総合リート投資法人も加わると11銘柄になり、更に、住友不動産系REITの「東京オフィスビルファンド投資法人」が登録を完了しましたので、12銘柄は目前です。こうなると、どの銘柄が良いのか、それぞれがどういう特徴を持っているのかが、ますます難しくなります。
保有物件も200件を越えて、オフィスビル、商業施設、ホテル、賃貸住宅、商業施設用地と多彩になっていて、単純な銘柄比較も出来ません。
一部の証券アナリストのようにJREITを株式と同じように見るのであれば、机状の数値計算で何とか辻褄を合わせることも出来ますが、JREITを不動産投資と見ると、簡単ではありません。
JREITが初登場した頃には、いくつかの会社が一般投資家にも理解しやすいようにと、不動産投資用指標の作成を試みていましたが、その後音沙汰がなくなってしまいました。
もともと、不動産業界でも不動産投資用の指標作りは難しいと考えられていて、バブル以前では最も進んだ調査分析を行っていた長谷工系の調査機関でも叶いませんでした。
私も、会社勤務時代にトライしたこともあって、今日と比べればコンピューターの性能が低い時代に、某大手金融機関と協同でブログラム開発をしたこともありました。(もちろん上手く行きませんでした)
では、今日のコンピューターの性能では可能かと言うと、いくら演算スピードが向上しても、デジタル処理では、結局限度があります。
それは不動産の比較が、デジタルではなくアナログになってしまうことが原因で、しかも単純な過渡特性を持ったアナログではないということだと思います。
また、投資法人が決算発表を開始してからは、経営分析手法を使ってJREITを分析しようという試みもあり、ある雑誌社が何人かの会計士の方に打診しました。
経営分析手法を使えば投資法人の資本収益性と流動性の分析は出来ますが、労働生産性は実際の資産運用業務を外部の資産運用会社に委ねているので出来ません。
従って、仮に資本収益性が良好だとしても、そのメリットが資産運用によって生かされるか否かが分かりませんので成長性が測れないのです。
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