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2003. 3.20. Up Dated.
−賃貸マンション市場の現状−    

賃貸マンションにも大手不動産が本格進出

オフィスビルだけでなく、従来零細なオーナーが多かった賃貸マンション市場にも大手の進出が始まっていますが、これは地価が下がっていることで、賃貸事業の採算性が向上しているからに他なりません。
長らく続いた地価の高止まりは不動産業を分譲事業中心にしてしまいましたが、バブル崩壊による地価の連続的下落が、収益性を重視する賃貸事業の成立を可能とします。
東京23区内の住宅地の地価も、もう一段の下落により、賃貸事業を活発化させるところまで来ており、最近では分譲マンションの在庫が1万戸を超えたことにより、更に確実な流れになりつつあります。

このような地価下落と市場変化に加えて、J-REITを始めとした不動産証券化の流れが、賃貸マンション事業をクローズアップさせているのです。
不動産証券化では、対象となる不動産の価値を、従来の不動産価値基準ではなく、現在と将来の収益性(主として賃料収益等)から積算して採算を検討しますが、賃貸マンションの場合、住宅賃料収入の安定性を勘案して、オフィスビル等より低い利回りで採算ラインが設定されます。(仮に、オフィスビルのネット利回りが7%台であっても、賃貸マンションに要求される利回りは、5〜6%台と低くなります。)
また、賃貸マンションではオフィスビルに比べて立地範囲が格段に広くなることから、事業機会も多くなり継続的な事業展開も可能となります。

すでに賃貸マンション市場では需要側からの淘汰が始まっていて、老朽化したマンションやアパートでは賃料を引き下げても空室が埋らないケースが多くなっていますし、借り手側の選別眼も厳しくなっています。
このように需要優位の賃貸マンション市場では、供給側の工夫の余地が大きくなりますので、住宅商品企画のノウハウのある大手企業にとって差別化戦略が取れる分野にもなっています。
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