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2003.11. 6. Up Dated.
 住宅REITについて
  
上場REITを資産タイプ別に見ると、
  • オフィスビルREIT・・・・・・・・・・・・・・・・・・・NBF、JRE、GOR
  • 商業施設REIT・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・JRF
  • オフィスビル+商業施設REIT・・・・・・・・・JPR、TRI
  • オフィスビル+商業施設+住宅REIT・・・OJR
  • オフィスビル+住宅・・・・・・・・・・・・・・・・・・PIC
となっていて、大手デペロッパー系のNBF、JRE、JPR、TRIが、あえて住宅を組み込んでいません。 住宅に積極的に取組んでいるのはPIC1社であり、こちらは中央三井信託系のファンドです。
米国REITでは住宅系のファンド収益が安定しているという市場評価を得ており、資産タイプ別でも、オフィスビルに次ぐ規模にまで成長しています。 一方、日本では、オリジネ−タ−の供給力がある大手デペロッパー系は住宅を組み込みませんが この理由はいくつか挙げられます。
  1. 住宅の場合は、オリジネーターが傘下のファンドに譲渡するより一般分譲した方が高い利益が確保できる。
  2. 住宅の資産運用はオフィスビルや商業施設に比べると手間が掛かるので、資産運用報酬の費用対効果が落ちる。
  3. テナントが個人となる為、PMを担当できる業者が限られている。
これらを、簡単に言うと、オリジネーターにとっても利益が少なく、資産運用会社の利益率も低下する住宅を避けているということになります。
投資家から見ると、代替性と流動性が最も高く、景気の影響が最も遅れる賃貸住宅の資産比率が小さいのは、投資分散からみると不利になります。 特に、個人投資家のような小口で長期保有型の投資には、賃貸住宅REITというのが望ましいのですが、現状のREITでは選択の幅が小さくなっています。
それならば、今後登場する予定の賃貸住宅REITを積極的に勧められるかと言うと、投資判断の際に、資産内容の吟味がなければ問題が大きいと言えるのです。
現在の既存REITの評価には、資産内容の吟味という視点が欠落している感もあり、オリジネーターのブランド力に頼った評価に偏りつつあります。(格付会社が発表するREITの格付にもオリジネーターの信用力が加味されていて、制度的にはオリジネーターと完全に分離されているREITにとっては理屈が合いません。)
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