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2003. 8.21. Up Dated.
−REITの売りと買いを考える−    
  
東証が発表したREITの売買状況を見ると、株価が高騰を始めた平成15年4月から7月まで一貫して、個人と外国人が売り越し、金融機関が買い越すという状況が続いています。
銘柄の決算発表でも、個人投資家比率の減少が報告されていて、筆者もこの問題に関しては、以前より資産運用会社に対策の必要性を訴えています。
いくつかの資産運用会社には、具体的な販売促進方法や広告宣伝手法の提案も致しましたし、募集方法そのものも根本的に考え直さなくてはいけないとも進言しました。 資産運用会社側も個人投資比家率の減少には問題意識を持っていますし、大口投資家からも、株価安定の為に個人投資家を増やして欲しいという要望もあるようです。
では、何故、個人が売り越しているのかを考えてみると、いくつかの要因があります。
  1. 株価が高値安定してきた銘柄を中心にして利益確定売りが増えている
  2. 株式市場に持ち直しの傾向が見えた為、代替投資であったREITから株式に戻っている
  3. REIT株価の適正水準が分らない為に、それぞれが期待した株価に達した所で売却している
  4. 銘柄の配当金を受領できる権利確定日直前が最も株価が高騰するので、この時点で、一旦、売り、その後の買いについては、他の投資商品との比較での投資となり、減少する傾向にある
等が挙げられます。
このような個人投資家の行動は、REITにとっては問題であっても、投資という面で考えると当然でもあり、自己責任で行う投資行動を第3者から云々されるいわれはありませんので、REIT側が考えて対応しなくてはならないのです。 一方、個人投資家から見ると、長期保有を前提として投資していた人も、この傾向にはやや不安を感じるかもしれません。 皆が売るなら、自分も・・・と考えて、売却の方向に動くということもありますので、本来、REITにとって大事にしたい長期保有を前提としたこのようなファンが減少することは、大きな問題でもあります。
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