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2023.11. 3.Up Dated.
今後の株式市場の行方

 先日、知人から今後の景気はどうなるのかと不安そうな面持ちで聞かれましたが、漠然とした危機感を感じているようにも見えました。 そこで景気動向に関係のある株式市場の行方について考察してみようと思います。本来は日本の株式市場の行方について考えるべきですが、日本は米国次第なので米国の株式市場について考えてみます。

米国では著名なアナリストや機関投資家から相次いで株式相場の暴落予想が出されていますが、彼らは専門家でもありますから、データ等の動きに基づいて大きな懸念を抱いているようです。
そこで私が考える今後の展開として2つのパターンを紹介します。

1つ目は、何れ相場のメッキが剥がれて株式市場が暴落するという予想ですが、過去の相場暴落場面のようなパターンにはならないだろうと思っています。 2007年から始まったリーマンショック時は一時的にNYダウが6,500ドル弱まで急落しましたが、その後は早い段階で持ち直しています。従って、多少の時間は要するものの相場は何れ反転したというのが過去の例です。
所が今回は相場が急落すれば持ち直しは期待できず、市場崩壊に至るまで暴落していく可能性が高いのです。 相場は下がっても何れは戻すというのが過去のパターンですので、ショックはあってもそれ程悲観することはないというのが経験則でしたが、今回は何れ戻すという可能性を期待できないという事です。
但し、このパターンの可能性は小さいのではないかと考えています。 このようなパターンは大きな変化ではなく、大きく見れば市場の循環変動でしかないという見方も出来るのです。

2つ目は、相場動向の信頼性が極端に低下することによって生じる崩壊予測です。 前述したようにプロの投資家がデータに基づいた予測を出していますが、これを裏切るように相場は多少の上げ下げはするものの暴落はせずに、直ぐに持ち直す相場の動きになる可能性が高いと思います。
この状態だと、プロの面目が丸つぶれになりますが、相場を戻すような客観的要素がないにも拘わらず相場が維持される状況が続くと、相場動向や指標等に対する信頼性が低下して、最終的には信用がなくなります。多くの人が相場動向に疑いを持ち始めれば、市場は崩壊していきますので、これも結果的に市場崩壊に繋がります。
私はこちらのパターンの可能性が高いのでは考えています。 このケースは、誰かによって引き起こされるのではなく、個々人の見方や考え方によって自然に崩壊していきますから、こちらは自主性があります。
結局2つのパターンも市場崩壊に繋がることになりますが、結果ではなくプロセスが重要となると考えています。他人によって変えられるのではなく、それぞれの自主性によって世の中が変わるのが本来の姿ではないかと考えているからです。 そして自分達によって崩壊させたのなら、新たに創り出すことも出来ますからこのパターンの方が未来は明るいだろうと思います。


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