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2018.11.30.Up Dated.
東証REIT指数の上昇について

 東証REIT指数が11月27日に1,800ポイントを超えましたが、同じように日経平均株価も27日に22,000円台を回復していますから、株式市場の動きにREIT市場が追随した形です。
一方、債券市場の動きを見ると、JGB10年債利回りが一時は1.3%まで上昇しましたが、先週末から再び0.1%以下に低下しています。
国債利回りは日銀が操作しているので余り当てにはなりませんが、米国10年債利回りが3.3%を窺う勢いで上昇していたものの、直近では反転下落し、3.06%まで戻った事が原因だと考えられます。
市場全体の動きとしてはこのような解説になりますが、投資マネーの動きにフォーカスすると、REIT市場に海外投資マネーが流入していると考えられます。
但し、このマネーは保守的な投資態様を持っているようで、安全第一で投資銘柄を選択しているようです。
この結果、日本ビルファンド投資法人の投資口価格が70万円/口を超え、ジャパンリアルエステイト投資法人も63万円台/口になりました。
端的に言うと、従来から市場評価が高く時価総額も大きい銘柄に資金が流れ込んでいる状態ですから、東証REIT指数への反映度は大きくなって、1,800ポイント超になったというのが実態だと思われます。
従って、必ずしもREIT市場全体に幅広く資金が流れ込んでいる訳ではないので、REIT市場全体が浮揚しているとは言えません。
このような海外投資マネーの動きを今年のREIT市場の動向に照らし合わせると、やや唐突の感もありますから、秋口から新たにマネーが流入していると考えられます。
このような動きについては以前から予想し解説していますが、恐らく従来の海外投資マネーではなく、新たなチャイナマネーではないかと予想しています。
この傾向は暫く続くと予想されますから、東証REIT指数で相場動向を見ると好調という見方になりますが、投資家にとっては個々の銘柄の見方は慎重にしなくてはなりません。
日本ビルファンド投資法人の予想分配金利回りは米国10年債利回り以下になっていますから、海外投資マネーの動きとしては異常だとも言えますので、これに引き摺られた判断は禁物です。
飽くまでも、従来の投資姿勢を堅持して自らの判断で動かないと、失敗する確率の低いREIT投資でマイナスを抱え込むことにもなりますから、年内は要注意です。


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