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2018. 3. 2.Up Dated.
REIT投資口の取引市場

 長年に亙ってREIT市場での投資口価格の動きを見ていますが、相場が急変動した時に分析のチャンスが訪れます。
通常の循環変動をしている時は、データ分析しても興味深い結果は得られませんが、2月第2週のように相場が急落した時は、データ分析によって明確な傾向が表れます。
投資家別の売買動向は月次単位しかデータがありませんが、個々の銘柄の出来高と投資口価格の騰落率は日次単位で入手出来ますから、これを使って分析すると、相場が急変動した時は面白い結果が表れます。
また月次単位ではあるものの、投資家別の売買動向の分析でも一定の傾向が表れます。
特に機関投資家は投資態様が一定の方向に流れる傾向がありますが、これは当然だとも言えます。
機関投資家と言っても実際に投資業務を担っているのはサラリーマンですから、突飛なことは出来ませんし、他と大きく異なった投資は控えますので、結果として似通った投資判断になります。
証券会社(自己取引)は相場を意図した水準に誘導することで、自らの業務展開を有利に運ぶという考え方らしく、これも一定の方向に向かいますが、どの証券会社も同じような動きになっているようですから、証券会社間で定期的にミーティングでもしているのではないかと思ってしまいます。
外国法人は、プログラム取引なので、これも分かり易いと言えなくはありませんが、外国法人と言っても投資法人が決算毎に発表する投資主に登場する外国法人とは微妙に属性が異なっているような感じがしますから、市場で短期取引をしている外国法人と長期投資をしている外国法人を同一視は出来ません。
国内個人は、最も面白い投資主体、市場での日々の取引は明らかにキャピタルゲイン狙いの取引に特化しているようです。勿論長期投資の視点で買いに入るケースもあるでしょうが、個人は月額平均で約1,800億円の売買をしていますから、こちらは少数派だと言えます。
但し、市場で日々売買している個人の動きは、全体としては一定方向に流れますが、取引内容まで推測するのは困難です。
個人はそれぞれが個々の判断で動きますから、例え情報源が同じであっても投資判断はばらけます。
例えば、2月第2週の急落時にも個人に拾う動きがあったようで、それぞれの期待利回りによって急落した価格で拾い始めた形跡があります。

このような分析が出来るのは、REIT市場の上場銘柄が60銘柄に過ぎないという点が挙げられます。
株式市場のような数だと、とても個々の銘柄の動きを分析することは出来ませんが、REIT 市場は手頃なサイズと言えるのかもしれません。
これからも、このようなデータ分析を重ねて、その結果から推理を展開していくのも面白い仕事の一つだと考えています。


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