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2017.12. 1.Up Dated.
11月のREIT相場動向

 2017年11月の東証REIT指数をみると、月初は1,623.09から始まり、10日には1,605.89まで下がりましたので、1,600ポイント割れも視野に入りましたが、その後は反転し21日に1,684.81まで上昇しました。
即ち11月は最大で78.92ポイント動き、1ヶ月間の変動幅としては今年最大になりました。
11月の投資部門別売買動向が発表されないと詳細は分かりませんが、この変動の主たる原因は外国法人ではないかと推測しています。
尤も、月初~月中と月中~月末では相場の動きが異なりますから、1ヶ月間通しての数値では実態は分からないかも知れません。
また日経平均は好調に推移していますが、これと11月の東証REIT指数の動きとは相関度がありませんので、株式市場の影響だとは言えません。
私の推測は、海外投資マネーが先ず株式市場へ流れ込み、少しタイムラグをもって一部がREIT市場へも流入したのではないかと考えています。
各投資法人が決算時に発表する上位投資主の動向を見ていると、今年後半から大口投資主である信託銀行の保有分に動きがあり、信託銀行と海外ファンドに買い増しの動きがあり、一方で投資信託と思しき信託銀行が保有分を減らしています。
上位投資主に登場する海外投資マネーは、長期投資スタンスのマネーだと考えられ、推測では最大シェアの投資主になっていると思われます。
一方で、短期筋の海外投資家も入り込んできているようですから、11月の外国法人の取引は増えているのではないかと予想しています。
但し、外国法人は無暗に買い越す訳ではなく、相場動向に準じて取引を行っていますから、相場が大きく反転上昇するとは限りません。
ある程度上昇すれば売りに転じますから、相場は行ったり来たりしますし、更に相場が1,600ポイントに近づくと個人の買い越しが始まるようですから、一定幅で相場が動くようです。
勿論、公表されているデータで投資家別の投資態様を全て把握することは出来ませんが、 長期でみていると、何となく投資家別の動きが少しずつ分かるようになってきますので、これがデータ分析の面白さでもあり、またREIT市場の投資口価格のボラティリティの低さとも相まって、株式市場とは違ったアプローチも出来るようになりつつあるのが楽しくもあります。

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