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2017.10.12.Up Dated.
東証REIT指数の見方

 週末に東証REIT指数が1,625.91ポイントまで下がりました。
この水準は2015年9月24日(1,625.48)以来ですが、直近の相場をどう見るかが問題です。

東証REIT指数が創設された2003年4月1日から今日までの日次推移の平均値をみると、1,420ポイントですから、現在の水準は平均よりは上にあると言えます。
即ち、東証REIT指数で見る投資口価格の水準は決して低い訳ではなく、この水準での予想分配金利回りは上場全59銘柄の単純平均で4.7%/年を超えていますから、配当型投資商品としての魅力が増していると言えます。
2017年のREIT市場の動きを見ると、かつての株式に準じた投資商品としての位置付けから、債券型の投資商品に転換しているのが見て取れますから、配当型投資商品としては違和感のない相場だとも言えます。
元々REITの投資口価格の過去5年間の変動率は、日経平均株価や10年物長期国債利回りに比べて小さくなっていますから、比較すると価格が安定した投資商品だと言える上に、2017年の変動率は更に小さくなって、より安定度が増しているのです。
相場が上昇しないと投資魅力が乏しいというキャピタルゲイン狙いの株式投資の見方に縛られていると、REIT相場の見方を見誤りますが、配当型投資商品として見れば、比較的価格が安定して、常に4.5%/年超の利回りが得られるというのは大変魅力的に映ります。

一方、投資家にとって気になるのは、更に相場が下がるか否かでしょうが、相場動向を上下させる月間売買高は、今の所1.5兆円超の水準を維持していますから、これが1.4兆円以下まで下がらない限り東証REIT指数が1,600ポイントを割る可能性は小さいのです。
そうなると結局は比較的安定した価格推移のままで1,600ポイント~1,750ポイントのレンジで動く相場が暫く続くと考えられます。
金融緩和は恐らく来年も続けられると思いますので、特別なイベント(地政学的リスク)が勃発しない限りは、REIT相場は今の状況で推移すると予想されます。
それに1,600~1,650ポイントの相場水準はこれから先も何度も訪れると考えられますから、この水準での投資は長期的に見てもリスクが小さくなります。
次に、相場の見方が分かったとしても、銘柄の選別が問題になると思いますので、これについては次回の投資家セミナー(12月開催予定)で、詳しく解説したいと考えています。


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