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2017. 4. 7.Up Dated.
2017年の東証REIT指数



 2017年の東証REIT指数と日経平均株価の動向を見てみると、上のグラフのようになります。
グラフの形から読み取れるのは、日経平均株価と東証REIT指数は期間を通して見ると、同じように右下がりの推移を示しています。
但し、相関関数で両者の動きを分析すると、お互いの相関関係はないという数値になりますから、日々の動きに相関度はないものの、通期で見ると同じような動きになっていると言えます。
2017年の動向がこのような結果になったのは、日経平均株価の上下の動きが激しかったこと、一方の東証REIT指数は比較的穏やかな動きになった為だと言えます。
昨年末のセミナーでは2017年の株式市場は変動が大きくなるので、株式投資は要注意という予測を行っていて、一方の東証REIT指数は、株式市場の影響は受けるものの、傾向としては緩やかな調整局面に入るとの見通しを解説していました。
現段階ではこの見通しが当たっていると言えますが、東証REIT指数の今後の動向は更に詳細な分析が必要になります。
2017年の東証REIT指数の日次推移は、日経平均株価や10年物国債利回りとの相関度は認められませんから、見方によってはREIT市場が独自の相場形成力を持ち始めているとも考えられますので、その実態を解明する必要もあります。
一方、株式市場の方は今後もボラティリティが高まると予想されます。 国際情勢はかなりきな臭くになっていますし、米国のトランプ政権の政策も公約通りには進まない情勢ですから、トランプ政権の失政が明らかになれば、株式市場は更に下がる可能性があります。
これによって、REIT市場も影響を受けると考えられますから、投資市場を変動させる要因によっては、一時的にしろ調整が深まると考えられます。
元々2017年の予測は難しい状況で、変動要因の予測が困難ですが、マクロ経済動向の影響を直接受け難いというREITの特徴もあるので、これらを含めて分析・考察を深めていこうと思っています。
次回の投資家セミナーは6月に予定していますので、その時までにはもう少し具体的な予測を出せるようにしたいと思います。


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