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2016. 4. 1.Up Dated.
2016年第1四半期が終わって

 2016年の第1四半期が終わりました。
1月末に日銀がマイナス金利政策を採って一挙に勝負に出ましたが、その結果 株式市場には大した効果を与えられず、日経平均は期末に16千円台に戻りました。
一方、REITの東証REIT指数は一時1,900ポイントを超えましたが、押しなべて1,800ポイント台後半の推移になりました。
この結果を日銀はどのように見ているか分かりませんが、満足しているとは思えませんので、次の手を検討しているかもしれません。尤も選択肢は殆ど残っていませんから、何かをするとしたら常軌を逸した政策になりそうです。
例えば、個人預金にはマイナス金利を導入させないとしていますが、口座管理手数料などの名目で一定の金額を引き落とす方法も考えられます。
預金していると僅かではありますが元本が減っていくようになればどうなるでしょうか。
先ず、タンス預金や貸金庫に預金を移すと考えられますから、直ちに消費や投資に資金が向かう訳ではありませんが、これに追い打ちを掛けるように物価上昇を誘えば、取りあえず日常品の買い溜め消費が増えるかもしれません。
兎に角、日銀は何が何でも効果を出したいと考えているようですから、何かをするとしたら漫画の世界のような政策になりそうです。

次に、政府の経済対策は、ばら撒き政策に主眼が移るようです。
仮に今夏の参院選の結果が与党にとって思わしくなければ、来年の消費税増税は延期になる可能性もありますが、使うだけ使って歳入増を図らなければ、借金が更に肥大化してしまいます。
こうなるともう手が付けられなくなる状態になりますから、安倍首相は早々に退陣して火の粉を浴びるのを避けると思います。
そして一蓮托生の日銀の黒田総裁も交代になるでしょうが、後を継ぐ人は大変です。
正常化には程遠い政策しか残っていませんから、普通の神経ならば頭を抱えます。
せめて安倍首相は責任を取って早期退陣を図って、消費税増税だけは予定通り行うと決める位はしなければ何をしに出てきたのかという事になりそうです。

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