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2015.11.13.Up Dated.
2016年の経済予測

 REIT市場は小康状態に入っているようですが、今後もこのまま推移するとは思えませので、恐らく年末までに大きくはないでしょうが一波乱ありそうです。
一方、来年以降の動きはかなり読みにくくなっています。
世界の経済動向や地政学的リスクがどうなるのか予測不可能な因子が多くなっています。
それでも敢えて予測すると、米国経済は底を脱した感があって、来月にはFRBの利上げ観測も出ている等、少しずつ回復方向に向かいそうです。
一方、欧州は回復よりは低迷が続くと予想され、懸案の解決には暫く時間を要するでしょうから来年も楽観は出来ません。
そして日本は成熟期に来ていますから、経済成長よりは低落傾向に向かわないという政策が必要になっています。
但し、成長へのポーズも必要ですから、それなりのアドバルーンを上げ続ける必要がありますが、幸いにもTPPが妥結したことが朗報です。 各国の批准はこれからですから、このまますんなり行くとは限りませんが、流れとしてはプラス方向になります。
新興国市場を見ると、中国は頭が天井に達した感があります。製造業は価格だけの競争から脱して質への転換が求められるようになりますが、品質を追求する道のりは遠そうです。今の中国製品は、日本や欧米の製品コピーになっています。付加価値の低い商品であれば価格競争で勝てますが、付加価値が高くなるとそうはいきません。デザイン、形状、色などは似せることが出来ますが、性能は簡単には出せません。製造業の品質向上には消費者の質への要求が不可欠ですが、未だそこまでも消費市場は育っていません。

次に、経済のポテンシャルはアジア圏が最も大きいと予想されますが、日本はTPPも含めて有利な立場にあります。またアジア各国にとって日本は目標とする国のようですし、中産階級にとっては憧れの国でもあるようです。
但し、このような条件が揃ったとしても、日本がスムーズに果実を得られるとは言えません。 一進一退を繰り返しつつ、少しずつ果実を得られるようになれば本物です。
一挙に得られる果実は短期で一過性の物ですから、長期に持続するには上下を繰り返しますのでそのような動きなれば日本経済にも光が見えてきます。

そのような事から、プラス思考で考えれば、日本のREITは未だ伸びしろが大きいと言えます。元々不動産の価値は確実な尺度で測れるものでなく、人気とかトレンドによって左右されますから、何となくでも日本は買いという方向になれば、価値の下落より上昇に目が向きます。
尤も、来年からこのようになるのではなく、少しずつその方向に向いていくというのが望ましい姿ですので、長期での一つの期待的見方になります。

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