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2015.11. 6.Up Dated.
12月の投資家セミナーのテーマ

 定期的に開催している投資家セミナーの次回分についての問い合わせがいくつかありましたので、現段階で決まっている内容についてお知らせいたします。
開催日は12月12日(土)13:30~16:30、場所は東京駅周辺にて行います。
今回は12月なので2016年のREIT市場の動向予測が主になりますが、ご存知の通り2016年はいくつもの変動要素を考慮する必要がありそうです。
財政政策も選択肢が少なくなっていますし、日銀も国債購入という財政ファイナンスを何時までも続ける訳にはいきませんから、来年は市場の自律性に委ねるソフトランディングを探ると考えられます。
現在10年物長期国債利回りは0.3%/年程度まで低下していますが、投資市場ではこの数値を根拠としていないようです。
REITの予想分配率と長期国債利回りとのスプレッド(乖離率)を見ても、3.3%程度まで開いていますから、過去を見ても今は大きなスプレッドを取られていると言えます。
REITの実状を見れば、今は内容的にそんなに悪い状態ではありませんから、スプレッドが上昇する根拠が希薄です。
これは恐らく実勢相場という見方があって、国債市場での実数値0.3%を0.5~0.8%位に補正してスプレッドをプラスしているようにも思えます。
0.5%の水準というのは、昨年(2014年)の国債利回りと同じ水準で、0.8%は第二次安倍政権誕生以前の水準なのです。
今の国債市場は日銀の買入によって流動性が落ちていて、必ずしも正常に取引になっているとは言えませんので、ある程度市場流動性が確保されていた昨年の水準、そして安倍政権誕生前の水準を両睨みしているようにも思えます。
常識的に見れば、このような疑心暗鬼の状態を長く続ける訳には行かないはずなので、日銀にも正気を取り戻す動きがあるかもしれません。
一方、ここまで来たら行く所まで行くという居直りも考えられますが、少なくとも来夏の参院選までは、財政政策の大きな転換はなさそうです。
但し、来夏以降は暫く国政選挙がありませんから、やはり焦点は参院選の結果とそれ以降の財政政策の方向になると思います。
REITのような配当型投資商品では、中長期の見方と現状の見方を分けて捉える必要がありますし、その両方を咀嚼して投資に生かすことが要諦になりますので、少しでも参考になるようなセミナーにしたいと考えています。
なお、投資家セミナーの案内告知は11月11日前後になると思いますのでもう暫くお待ち下さい。

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