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2015.10.23.Up Dated.
投資部門別売買動向から分析する年内のREIT相場

 
東証が発表した投資部門別売買動向から、今年の市場動向を見ると「グラフ1」のようになります。

「グラフ1」



東証REIT指数の月間平均値(棒グラフ)を見ると、緩やかながら下落傾向にあります。
直近9月の月間平均値は1,592.72ポイントと久々に1,600ポイントを割っていますが、月間売買高は1.84兆円と前月より27%増加しています。
3月と9月は決算月なので、利益確定売りによって売買高が膨らむ傾向にありますが、それにしても9月の投資口価格はかなり下がったと言えます。
現在は1,700ポイント近くまで戻していますから、一時的な下落と見ることも出来ますが、 今後もマイナス材料が出れば1,600ポイント割れはあり得るという見方も出来ます。

9月の投資家別売買動向を見ると、大幅売越しの常連である国内個人に加えて、証券会社(自己取引)も売越しになった事、一方、買越し主体の金融機関と投資信託は従来通りの投資態様で、外国法人がほぼ中立の小幅買越しになったことが響いたと思われます。
基本的にREIT市場は、国内個人が売越し、金融機関と投資信託が買越しで、証券会社と外国法人は状況によって変わるという取引になっていて、この二者が売り買いどちらかに傾くと相場が動くという構図になっています。
尤も、この二者は数ヶ月連続で同じ取引傾向を示すという事もなく、特にシェアホルダーである外国法人は月毎に変わるといっても過言ではありません。

従って、REIT相場は通常は1,600ポイント台、何かあれば1,500ポイント台に入るというのが年内の動きなりそうです。
このように見ると、1,500ポイント台に入ったときが投資チャンスになりますが、年内に何回か訪れそうです。
そして大底は9月8日の1,509.63辺りと見ておけば良さそうですから、暫くは分かりやすい局面だと言えると思います。

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