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2015.10. 2.Up Dated.
不動産関連資格について

 不動産業務に関係する資格は多くなっています。
先ず、「宅地建物取引士(旧宅地建物取引主任者)」という資格がありますが、これは不動産業に従事する場合は必要になります。
私は昭和47年7月に資格を取得していましたが、この年は入社の翌年に当たります。不動産開発業務も行う会社に入社しましたので、業務上必要という事で会社命令での資格取得でしたが、登録番号は2万以下の数字になっていて、東京都登録では1.9万番台でした。(今は10倍の20万番台になっているようです)
更に、宅地建物取引士の発展で「不動産コンサルタント技能登録者」という資格もありますが、これは資格発足当時には取らずに、会社を辞めた後で取得しました。
特に二つの資格を保有する積極的理由はありませんので、現在私は宅建登録を行わずに、不動産コンサルタント技能登録だけ更新しています。
因みに、宅建資格は消滅しませんので、証明が必要な場合は登録した都道府県で証明書を発行してくれますから、宅建業免許を必要としない場合は支障がありません。
更に「不動産投資顧問業登録」という制度もあって、私は制度発足時に登録したこともあって、一般不動産投資顧問業3番になっています。
この登録要件には、不動産コンサルタント技能登録が必要(弁護士、不動産鑑定士でも可)となりますが、REITの資産運用会社等は総合不動産投資顧問業登録が義務付けられていますから、資産運用業務に従事する人はやはり不動産コンサルタント技能登録が必要となります。

これだけでも不動産業務が資格漬けになっていることが分かりますが、元々は不動産屋は信用ならないという感覚が根付いていたからです。(関西では周旋屋とも呼ばれていたようです)
信用できない連中に好きにさせてはいけないという事で、資格制度が発足したようですが、その後不動産関連業務は資格乱発に転じてしまいました。
正直言って、資格と業務遂行力とはあまり関連はなく、資格を有しているから業務上の実力があるとは言えません。
例えば、自動車運転免許の例で見ても、レースを行う人達との技量は雲泥の差があります。レーサーの資格では国際A級ライセンスという資格もありますが、これとても実際のF1レーサーとの技量の差は大きいようですから、資格と実力が単純比例関係にないのはどの世界も同じようです。
私は不動産関連資格を有していますが、独立して以来不動産業で報酬を得たことは一度もなく、これらの資格制度の実績はゼロのままです。
尤も、過去にも個人として不動産業務報酬を得たことはなく、長年不動産関係業務に従事していますが、個人としての収入実績はありません。
これでは資格の意味もなさそうですが、私の仕事は資格によって遂行できる業務ではなく、個人としての実力だけが頼りなので、当然とも言えます。
私は実力次第という世界の方が好きなので、却って今の仕事の方が居心地は良いと思っています。

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