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2015. 9.11.Up Dated.
投資口の取引動向

 東証が8月の投資部門別売買動向を発表したので、直近の市場取引動向が分かりました。
但し、投資家の取引内容に大きく変わった点はなく、月間売買高が前月比で▲19%になり、今年5月の水準と同じですから、8月という季節を考慮すると、それ程冷え込んだ訳ではなさそうです。
投資家別では、国内個人と外国法人が売越しで、国内勢(金融機関、投資信託、証券会社)が買越しになっています。
7月は、外国法人の買越しによって支えられていましたから、それが売越しに回ったことで、REIT相場が下がったとも考えられなくありませんが、元々外国法人は売越しと買越しを交互に繰り返す主体なので、必ずしもこれだけが原因とは言えません。



上のグラフは、2014年10月~2015年7月までの投資家別売買動向(金額比)を表したものです。
明らかに7月の状況に変化が生じています。 国内個人(緑色)の売越しは毎月のことですが、その他の投資家も積極的な買越しではありません。
この売買動向が一過性なのか、それとも今後の流れなのかによって、REIT相場の行方が変わりますが、今の所は7月の投資態様が引き継がれている感があります。
REIT市場で何が起きているのかと不安を感じると人も多いと思いますが、客観的に見ると正常な状態に戻りつつあると言えるのです。
価格が下がると冷え込んでいるという見方は株式投資の考え方で、REITのような配当型投資商品では、価格が下がることによって利回りが上昇しますから、投資家の求める利回り水準に向かって調整されているという見方になるのです。
この事が分からないとREIT投資は出来ません。お祭り騒ぎしか投資チャンスと見ない人は、元々投資に向いていませんが、特にREIT投資ではわざわざ損をする為に投資していると言わざるを得ないのです。

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