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2015. 7.17.Up Dated.
投資口価格の乱高下

 先週はREIT投資口価格の急落について触れましたが、今週は東証REIT指数が反転上昇に転じています。
何しろ7月1日の1,810.57→7月10日に1,645.28と約10%下落、今度は7月16日に1,764.92と7%反転上昇と、僅か2週間でジェットコースターのような動きになっていますが、今週の反転上昇は何が原因なのでしょうか。
私の推測では、日銀の買入ではないかと考えています。余りにも東証REIT指数が下がったので、急遽日銀がPKOを発動して買い支えに入ったのではないかと思われます。
REITのような配当型投資商品では、ジェットコースターのように価格が動く合理的理由はありませんし、この2週間で投資法人側に変化があった訳でもありませんから、単に買い手側に変動があったと考えられます。
REIT市場の主要投資家動向を分析すると、ここ半年間は売買金額だけが東証REIT指数の変動にリンクして推移しています。それも各投資家のポートフォリオの形は大きく変化なしで動いているようでしたから、7月の動きも大きく変わっていないとしたら、7月第2週からは新たな買い手が出てきたと考えられますが、それが日銀ではないかと思います。
何しろ安倍政権は安保法制によって支持率を大きく下げていますから、景気対策の目玉である投資市場も下落すれば、もう死に体になるのは避けられません。
こうなればなり振りを構っていられませんから、財政ファイナンスだろうとPKOでも兎に角手を打てという事になります。
想像ですが、官邸があちこちに檄を飛ばしている模様が目に浮かびますが、何となく醜悪な様子が漂います。
こうなると、官邸からの指示と圧力は更に強まりますから、この夏の投資市場の動きはかなり読みにくくなります。 実体が隠れてしまいますから、長期投資は出来なくなり、短期売買だけが横行するようになるだろうと思われます。
尤も、例年真夏は一時的な動きなり、市場の流れは9月以降からになりますので、この時期のREIT市場の動きにそれ程神経質になる必要はなさそうですから、依然として静観するのが賢明だと言えます。

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