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2015. 7. 3.Up Dated.
政治とマスコミ

 自民党議員によるマスコミ弾圧の動きが報道されていますが、これが全国新聞紙やテレビキー局への圧力であれば、所詮は仲間同士ですから、内輪で何か揉めているのかという程度の認識です。
所が、発端は沖縄地方紙への圧力ですから、これは政治のマスコミに対する弾圧という事になります。普天間基地問題で自民党が手を焼いていて、地元マスコミの批判論調も邪魔だということでしょうが、簡単に意図が透けるような単純な動きをする政治家は幼稚過ぎます。
尤も、若手議員と称する人達からすれば、今の自民党政権の本音を代弁している過ぎないという意識がありますから、問題意識は薄そうです。
安倍政権も、元々大政翼賛会的体質を色濃く持っていますから、発言や行動そのものの本質を問うのではなく、国会運営の為に単に発言を控えて貰えればそれで良いという対応になります。
政治家によるマスコミ弾圧は違憲という論調もありますが、安保法制そのものが違憲という状態の中での国会審議ですから、違憲という指摘は今の自民党には痛くも痒くもなさそうです。
一方、有力野党も同じ穴のムジナですから、国会審議の為に利用する程度です。
自由民主党という名称からすれば、本来憲法違反を無視するような所属議員は除名処分を検討するのが当然ですが、そこまでは出来ません。
今の政治は、その根幹であるイデオロギーがありませんから、日本の将来の為と名分は政治家個人の見解でしかありません。
従って、唯一の基準は憲法しかないのに、これを無視するようでは個人の好悪で好き勝手に政治をしているという事になります。
政策の是非を問う前に、根幹を踏み外しているか否かを考える位の常識は欲しいと思いますが、今の政治家にそこまで求めるのは無理なのかも知れません。
今の政権には、政策を個人的見解で進めて良いのかという民主主義の本質に関わる問題を含んでいますから、先ずはここを徹底的に議論すべきなのです。
株価を上げて少しでも潤えばという近視眼的な経済的メリットだけで景気対策をしていますし、その為には禁じ手とされる財政ファイナンスもOKという体質ですから、たかが地方紙への弾圧位何が問題なのかというのが本音なのでしょう。

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