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2015. 5. 1.Up Dated.
投資情報の整備

 現在REITは51銘柄が上場していますので、その開示情報は決算データだけで年101件(ジャパン・ホテル・リート投資法人は年1回の決算で、その他は年2回の決算)になりますから、月平均で8~9件になります。また保有物件の個別データは3,000件以上に上り、決算毎にデータが変わりますから、これらを全てウォッチするのはかなり困難な作業になります。
尤も株式市場に比べれば圧倒的にREITの上場銘柄数は少ないですから、困難とは言え無理な範疇ではありません。
REITの様な投資商品では、データ分析は投資インフラの重要な要素ですから欠かせませんが、現実は長期に亙ってコツコツと収集し分析している人は稀です。
シンクタンク等のデータ分析が発表されることもありますが、これらはマクロ動向ですから、REIT投資にそのまま使うのは無理がありますが、余り区別されていません。
マスコミ等も厳密に区分して扱う訳でもなく、所謂コメンテーター的な内容で良しとしている傾向があります。
政府・日銀は投資市場の活性化に腐心していますが、その核心は単に相場を上場させることだけを目的としていますから、投資情報の整備には無関心です。
また投資市場のメカニズムを解析して、その動向を長期で予測するような作業もしていませんから、以前書いたように博徒が集客している構図と変わりません。
一方、NISAのような制度を作り、個人投資資金を呼び込もうとしていますが、それも相場を上昇させて誘引するだけの考えのようですから、何とも心もとない政策(?)です。
これが景気対策だと言わんばかりに、政府も日銀も頑張っていますが、冷静に考えると本当に政策と言えるレベルなのでしょうか。
普通に考えれば、これらは思い付きであって、理論的且つ現象的解析の上に成り立った政策とは言えないと思います。
「そんな固い事言わないで、取り敢えず賑やかになれば良い」という声も聞こえて来そうですが、今は政府はマスコミに圧力を掛けてでも思い付きを遂行しようとしていますし、マスコミ側もシュリンクして政権批判のトーンを落としています。
元々、政権は常に批判されるのが当たり前ですが、そういう環境に堪えられない人間が主宰しているのだと思います。
堪えられないから色々な手段を講じますので、さわらぬ神にたたりなしという風潮になっているようですが、何とも子供じみた世界のように思える今日この頃です。

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