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2015. 2.20.Up Dated.
ヘルスケアREIT第二弾

 日本ヘルスケア投資法人の評価書で予想したように、早々にヘルスケアREITの第二弾の上場予定が発表されました。
ヘルスケア&メディカル投資法人という名称で3月19日に東証へ上場予定となっています。上場時資産規模は237億円でIPOでの調達額は106億円と、日本ヘルスケア投資法人の上場時資産規模133億円、IPOの調達額59億円に比べて倍近い規模になっています。
但し、ヘルスケア&メディカル投資法人の保有資産は水膨れになっている感があり、保有資産の鑑定平均NOI利回りは5.8%と、日本へルスケア投資法人の7.09%と比べても、かなりの高値取得になっています。
この利回りは現在の取引利回りの数字で、日本ヘルスケア投資法人も今後の外部成長では5.5%〜6.0%の利回りでの取得にならざるを得ないと明言していました。
市場価格と言えば尤もらしいですが、ヘルスケア施設は不動産取引市場ではマイナーな存在で相場は固まっておらず、売り手側が主張する利回りだと考えることが出来ます。
ヘルスケアREITを国交省が後押して、無理にでも上場させようとしたことで、取引では売り手が強気なって、この程度の利回りを主張しているようです。
ヘルスケア業界ではヒューリック・リート投資法人が取得した有料老人ホームも高値で買った(取得物件の鑑定平均NOI利回5.9%)と言われていましたが、ヘルスケア&メディカル投資法人の場合は、更に利回りを低下させています。
本来ヘルスケア施設の取得利回りについては、日本ヘルスケア投資法人の7.09%が元々の相場で、この利回りだからこそレジデンス専門銘柄も物色していたと言えます。
それがヘルスケアREITではレジデンスと同等の利回りで取得するつもりですから、図に乗って高値取得して、それを投資家にヘッジする上場戦略のようです。
月間売買高が恒常的に1兆円を超えているREIT市場では、100億円程度は誤差の範囲ですから、何となく呑み込んでくれるだろうという考え方だと思われます。
このような考え方でヘルスケアREITが上場してくることは十分に予想されていたとは言え、余りにも厚かましいとも言えます。
何しろ国交省が後押していますから、投資法人も強気なのだと思いますが、国交省は投資市場に何の責任も持たない官庁ですし、投資家目線等はDNAにもない省庁ですから仕方ないのかも知れません。そういう意味でも、賢い投資家は踊らされないようにしないといけません。

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