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2015. 2. 6.Up Dated.
投資口市況の調整が始まる?

 2月に入ってREITの投資口市況が調整に入り始めた感があります。
3日の東証REIT指数が1,812.59まで下がり、昨年11月末の水準にまで戻りました。
勿論これで下げ止まりとは言えず、早晩1,700ポイント台まで下げると思われますが、一方で再び上昇する可能性も残しています。
恐らく3月までは多少上下しながらの推移だと予想されますが、これで少なくとも東証REIT指数が2,000ポイントを大きく超える可能性は無くなったと言えますから、投資家の関心は下値がどの程度かに移りそうです。
私の予想では、下値が明確になるのは4月〜6月の第2四半期ではないかと考えていますが、今のような調整であれば急落の可能性も小さく、緩やかに調整されると思われます。
それはREITにとっては望ましい状態ですから、暫くは推移を見守りつつ調整が一段落した時点が投資タイミングになります。

但し、個別に見ると新興銘柄(ケネディクス・レジデンシャル投資法人以降の新興銘柄16銘柄)の動向が問題です。
ここ一年位新興銘柄の投資口価格上昇が目立っていて、既に既存銘柄を越えた投資口価格水準にまで達した銘柄もいくつかありますから、これらの銘柄は調整局面でどう扱われるのか注目です。
私から見ると、総じて新興銘柄は下駄を履いた状態か竹馬に乗ったような状態になっていましたから、まともに健康診断をすればこれらが取り払われますが、果たしてそのようになるのか、それとも依然として優位性が残るのかが関心の的です。
この辺の事情は一昨年来のIPOで購入した多くの投資家も関心を持つものと想像され、ますが、現時点では判断に迷いそうです。
尤も、昨年12月に実施した投資家セミナーでは、この事に付いて詳しく解説してありますから、セミナーに参加された方々は既に動いているだろうと思います。
資産運用会社にとっても、冷静に見れば、投資法人の業績推移やパフォーマンスと関係なく投資口価格が上昇しているのは不気味だと思いますから、良識ある資産運用会社は調整局面を待っていると思いますが、そうではなく上げ潮の市場に乗っかるだけだった投資法人はそろそろ考えを改めないとREITに残れなくなってしまう可能性も考慮しなくてはならないかも知れません。
但し、REITはころころと考えを変える訳には行きませんから、もう手遅れかも知れませんので、手遅れになる可能性のある投資法人には要注意だと言えると思います。

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