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2014.11.21.Up Dated.
ファンドバブル領域へ突入

 11月20日の東証REIT指数が1,781.39ポイントに達しました。東証REIT指数は、10月30日に1,700ポイントを超え、一旦戻したのち再び上昇しており、1,800ポイントを狙う水準にまで来ました。
今の状況は東証REIT指数が始まった2003年4月からの12年間を見ると、正に2006年〜2007年前半のファンドバブル期と同じ領域に入りました。
前回のファンドバブルもやはり国内外の投資ファンドによって演出され、サブプライムローン問題により、一挙に資金が引き揚げられた結果底なしの下落に陥りました。
今回も似た面がありますが、主役は国内の投資信託のようです。
今年からNISAが始まった為、投資信託がその資金を狙って活発に動いたことで、相対的に時価総額の小さいREITが大きな影響を受けているようです。
但し、投資信託からの資金流出が始まっているようで、そろそろ利益確定してしまおうと動きが強まっているようです。
REITに限って見れば、上昇局面は11月中で、12月からは今年のNISA枠の消化が鈍ると見て、投資信託もペースを落とすのではないかと予想されます。
従って、12月になるとチキンレースになるので、今のうちに利益確定して今年の投資は手仕舞いするというのも賢い選択だと言えます。
NISAには投資に慣れた個人も多く含まれているので、そういう人達は今の状況を上手に利用出来るでしょうが、投資初心者には今の相場を読むのは無理です。
NISAは金融機関も扱っていますし、投資信託の窓販もしていますが、果たして個人投資家が冷静な判断を下せるような情報を提供しているのでしょうか。
売り放しで後は自己責任という無責任な対応をしているのではないかと心配しますが、仮にもNISAの様な投資資金を扱う以上、的確な状況分析と客観的情報の提供は欠かせません。
売り側のファンドの説明だけで済ませておいて、結果としてNISA投資家に損を発生させた場合、金融機関は何と申し開きをするのでしょう。証券会社と同じように「投資は自己責任ですから」と素知らぬ顔をするのであれば、金融機関に投資商品を解禁した意味もありません。
NISAのような長期投資は、通常の投資に比べても難しいのですから、極力情報提供に力を注ぐべきですが、手数料さえ入ればとスタンスでは困ります。
今年はNISAの初年度という事で手探りは止むを得ませんが、来年からはもう少し改善に向けて動いて欲しいものです。

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