コラムトップ
2014. 2. 7.Up Dated.
REIT投資口価格と株式相場の関係
 



上のグラフは東証REIT指数(×10)と日経平均の推移(2012/1/4〜2014/2/5)を表したものです。
このグラフを見ると分かるように、日経平均と東証REIT指数の動きは同じようになっていますが、両者の相関度をCORREL関数で計算すると<0.9181>と完全な順相関を示しています。
但し、昨年11月〜直近までを見ると両者の動きは異なっていて、CORREL関数の数値は<0.3221>と相関度は消滅しています。
直近がこのような動きになったのは、海外資金の動向の違いで、株式には海外の投資資金が大量に流れ込んできましたが、REITの取引データを見ると、外国法人の動きはそれ以前と変化はありません。
この資金の流れの違いが、両者の動きを変えたものと思われますが、その背景を考えると、
@ 不動産は景気より遅効性があると考え、直ぐに動かなかった。
A 企業業績と不動産価格に関連性はないと考えている。
B 日本の経済成長では不動産に与える影響は小さいと考えた。
C 不動産市況の回復は未だ見えていないと考えている。
等が挙げられます。
尤も、グラフを見れば東証REIT指数の方が安定していますから、株式とREITとはその特性が違うという見方に変化しているという事も言えなくはありません。
他にも、NISAによる影響の違いも考えられなくはありませんが、3ヶ月程度の動きだけでは何とも言えません。
それでも、この時期に東証REIT指数の動きが比較的安定しているのは、REITにとっては朗報です。価格のボラティリティが低ければ、中長期投資にとっては判断し易くなりますし、将来の急落リスクも少なくなりますから、落ち着いて銘柄選別が出来ます。
こういう推移が4月ぐらいまで続けば本物だとも言えますが、未だ何とも言えないものの、期待を以てもう少し見守る必要がありそうです。

Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved.