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2013.10. 4.Up Dated.
NISA口座開設と投資リスクの考え方
 
 NISAの申込みが初日で300万口座に達したようですから、この勢いだと早いうちに5000万口座にも届くかもしれません。
NISA口座開設先がどうなっているのかは分かりませんが、一般的には様々な投資商品が買える証券会社が主流になると考えられます。
仮に銀行などの金融機関に口座を開設すると、投資信託しか買えず、投資先の選択肢が一つになりますから、投資家にとっては非常に不利になります。
但し、投資初心者にとっては銀行などの方が親しみやすいので、こちらに口座を開設するかもしれませんが、一度口座を作ると4年間は変更出来ませんので、投資に慣れてきたとしても投資信託しか買えないという点に注意が必要です。
又、投資初心者が何も勉強せずにいきなりNISAを始めるのは×です。
NISAで投資できるのは、株式、REIT、投資信託だけで何れも投資リスクがありますので、リスクとリターン(収益)のバランスを考えて選ぶ必要があります。
特に、投資信託は、組み合わせる投資商品によっては、投資リスクがより分かり難くなりますので、具体的にどのような状態でリスクが高まるのかを理解しなくてはなりません。
投資では自分でリスクを読めないのはブラインド投資となりますから、他力本願の投資だと言えなくもありません。
更に、投資信託ではファンドマネジャーによる運用リスクも内在しますから、投資リスクが読み難くなりますので、インデックスに準拠した投資信託を選ぶ傾向もありますが、インデックス投資であれば誰でも出来る訳ですから、他人にしてもらう必要性が薄いのです。
一般に投資リスクをヘッジするには、投資対象を分散しますが、機械的に分散するのではなく、それぞれ異なった動きをする投資商品を組み合わせるのが本来の分散です。
単に保有数が多いというだけの分散はヘッジが弱くなりますので、リスク・リターン特性が異なっていることが重要なのです。
但し、ここまで考えるとより高度な知識が必要となりますので、投資初心者には無理ですから、投資信託=投資リスク小と考えるような人は投資には向いていません。
従って、投資が理解できていない人を誘引して強引に投資信託を買わせようとする金融機関は要注意ですので、少なくとも口座を開設したとしても、じっくりと勉強してから始めるべきです。
100万円と言っても個人には大金ですし、これが訳の分からない内に90万円や80万円になったりすることもありますから、後悔しないように事前に投資の知識をある程度は習得しておく必要があります。
そこで問題になるのは投資知識の習得です。投資の世界はポジショントークや売り側の紐付きの人が多いので、中立の考え方を探す事から始める必要がありますが、実はここが日本の投資環境の最大の欠点なのです。
個人が有用な知識を習得しようとしても簡単ではないのが日本の投資環境の実状ですから 先ずは情報の選別能力が必要となりますので、次回はこの事に付いて触れたいと思います。

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