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2013. 1.25.Up Dated.
日本プロロジスリート投資法人のIPO
 
 物流系REIT5番目となる日本プロロジスリートの上場が発表されました。
スポンサーであるプロロジスは物流施設系不動産ファンドとしては、先に上場したGLPより古く、日本の物流施設をファンドの投資対象にした草分けとも言える存在です。
過去にもREIT上場を図った事もあるようですが、市場状況が悪く途中で断念したようで、今回が初めてのトライになります。
上場時の内容は未だ精査が終わっていませんので確たる事は言えませんが、GLP投資法人に比べるとポートフォリオNOI利回りがやや高く採られているようです。

これでREITでは物流施設系銘柄が5銘柄になるので、過去のヒストリーを見れば最終的には同一セクター間での淘汰が行われる可能性があります。
淘汰の要素は、先ず、保有資産のパフォーマンスと安定性になりますが、概してこれは既存銘柄である日本ロジスティクスファンド投資法人と産業ファンド投資法人が有利となりますので、これに対して新興銘柄の大和ハウスリート投資法人、GLP投資法人、日本プロロジスリート投資法人がどう挑むのかが注目です。
物流系では老舗であるプロロジスにとっては、当然負けられないサバイバルですから、どのような対応を行うのか注目です。
尤も、今年上半期は物流系REITに注目が集まりますから、当面はどの銘柄も順調な推移になりそうですが、中長期では優勝劣敗の行方が重要になります。
勿論、5銘柄全てがOKという状況になることも考えられますが、それには市場評価がオフィスビルセクターより高くなる前提が必要です。
オフィスビル系銘柄には国内大手不動産会社系が大半を占めていますから、国内機関投資家がそのような判断に修正する可能性は低く、やはり淘汰は避けられないかも知れません。
そこで、投資家は少なくとも負け組を引かないという判断が必要となりますが、未だ何処が負け組となる可能性があるのかは分かりません。
但し、こういう中で特に注意したいのは、物流施設系限らず新規上場銘柄全てに言える事ですが、現在のように投資市場に足の短い海外投資資金が流入している段階では、投資口価格の動きは必ずしも当てに出来ませんから、投資口価格の短期の動きに釣られての判断は避けるべきです。
REIT投資は、IPOで適切な選別を行えば、かなり良好な総合リターンとなるのが過去のトラックレコードから分かっていますので、先ずは、IPO選別の原則に則ること、そしてその後買い進みには、銘柄の実力がある程度判明するまでは待つという姿勢が必要です。
かつての上場ラッシュにおいて拙速な判断によって損をした投資家も多いと思いますので、今回はその反省も踏まえて、先ずは客観情報の収集に努めてはどうでしょうか。

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