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2012. 8.31.Up Dated.
REITへの注目が高まっている?
 
 私が講師を務めるREIT実務者向けセミナーへの参加者が今年に入って少し変わってきました。
それは重厚長大産業の会社から複数名の出席者が目立ってきた事です。複数名が出席してくるのは社内でREITの研究か、又は進出を検討している可能性があります。
今年の上場が予定されているイオンもかつては複数名の出席が何度かありましたし、過去にもREITに進出する企業から複数名出席しましたので、これらの企業も何れはREITに出てくるのかもしれません。
最近は基幹産業系が目立ってきて、公共インフラを支えている企業がREITに関心を抱いているようなので、注目すべき傾向です。
保有不動産の有効活用は、必要に迫られて着手すると余り良い案が出ないのと、場合によっては買い叩かれてしまう事にもなるので、日頃から研究を重ねてケーススタディを行っておく方が有利です。
私のセミナーではREITのデータを活用して不動産の説明を行うので、不動産業以外でも理解出来ると思います。特に、収益用不動産の利回りや最近の収益推移に関心があるようですが、これらについてはデータを提示して解説しますから、必ずしも不動産経験は必要ありません。
又、将来の国際会計基準の施行によって、不動産の時価評価が必要になれば、不動産を保有している企業はそれに備えておく必要があります。単に不動産鑑定を依頼するだけでは、株主に対する説明責任は果たせませんから、経営者は一定の知識を備えておく必要があります。
REITの資産運用会社を見ていると、データによって説明するのは、不動産業以外の出身者でも十分に可能ですし、余り遜色もありません。逆に、データを重視するのは不動産業以外の方が得意かも知れませんから、準備さえしておけばどの企業でも十分な説明は出来ます。
それにはデータをヒストリカルで収集しておくことですので、私のセミナーで配布する詳細なデータが有効かもしれません。先日のセミナーでも大量のバックデータを提供したので、これらを活用すれば、不動産の時価の推定も可能です。又、時系列の推移データも提供しましたので、過去の動向を理解したりこれに基づいた予測も可能です。
データに基づいた不動産の見方は、未だそれ程普及はしていませんが、少しずつそちらの方向に向かっているような気がしています。

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