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2011. 4.15.Up Dated.
事前に知るということ

 今回の震災によって、ウェザーニュースが提供する地震通知サービスに加入しました。
これは、パソコンメールで地震発生の数十秒前に通知されるサービスで、ラスト10カウントというソフトをインストールすれば良いだけです。既に何度となく地震発生メールを受け取りましたが、幸い東京では大きな揺れがありませんでした。
このサービスはパソコンを常時稼働させていなければ余りメリットはありませんが、私のように深夜以外はONになっている場合には有効です。
今回の震災によって私のパソコンは2台とも床に転がってしまいましたから、今後はメインのマシンだけはなるべく無傷でと思って導入しました。
そして、このサービスを利用して感じたことは、事前に知るということは大きな意味があるという事です。例え20秒前であってもそれなりの心構えと行動が出来ますから突然感じるのとは雲泥の差があります。

これは地震のように明確な事象についての事ですが、仮に不確かな事象でも同じことが言えるのだと思います。
REITのように色々な要素によって変動する投資商品も、事前にいくつかのケースが想定され、それが論理的に説明されているならば、変動に際してもショックが緩和されると思います。
この視点から見ると、情報分析業務の意義が理解できます。
REITはHP上で多くの情報を発信しますが、その情報だけで投資家が判断するのは困難ですから、それぞれの投資法人が発表する情報を比較したり、その解説や背景などの説明が必要となります。
そして、それらの情報にマクロ経済等の情報を加味して将来の動きを想定することになりますが、それは当たり外れではなく、こういう場合にはこういう状況になりそうだというインフォメーションです。
投資家は、こういうインフォメーションを元にして、将来の変化を予測し、そして判断するという形が理想です。
この事については、REIT誕生時に活発に議論された事もありますが、その後のREITの隆盛で徐々に忘れ去られていました。
今回の震災によって、改めて情報の問題や価値が問い直されていますが、それは投資の世界でも無縁ではないと言えそうです。

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