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2008.11. 7.Up Dated.
証券取引市場の整備

 ここ3ヶ月のREIT投資口価格と株式の変動を見ていると、両者は全く同じに動きなっています。特に10月からは完全に一致した動きになっていて、投資口価格の推移で見る限り、REITは株式と同じ性格の投資商品という事になります。
元々、REITは、伝統的な投資商品である債券・株式の中間の性格を持ち、双方との相関性も低い第三の投資商品として誕生したのですが、今はその影もありません。
何故このようになってしまったのかは、いくつかの理由が挙げられますが、真の原因は、REITという商品のPR不足だと言えます。
その一方で、取引市場を提供している東証の見識が低い事も指摘出来ます。
REIT誕生以来、東証は最小の体制で運営していて、投資家に対する働きかけもほとんど出来ていません。私は東証内部の事情は詳しくは分かりませんが、先例主義で、保守的、且つ官僚主義的な体質を感じます。
今日の世界的金融不安の中で、政府は政策発動を始めましたが、このような施策も必要ではありますが、同時に東証の改革も必要となります。
東証がもっと機動的、そして現実的に動けるようになれば、今日のような危機でも投入コストは抑えられますし、又、実効性も挙がるのではと思います。
政策には税金が使われますが、これを効率良く働かせるには機能の整備が必要です。
今日、有価証券市場の変動が実体経済に大きな影響を与えるような時代になっていますので、この機会に市場の機能を見直し、必要な改革も同時に進めなければ、対処療法の域を出ません。
政府は省庁の改革を進めていますが、一方で、経済インフラの整備も重要です。
会計基準等については国際基準に合わせた改革が進んでいますが、市場機能の整備については後手に回っている感があります。
東証の改革が必要だという意見には、上場企業・投資家とも異論はないだろう思いますが、何故か進みませんので、この機会に声を大にしたいと思います。 投資家の方も、是非声を上げて東証改革を促して欲しいと思います。
 
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