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2007. 2.15.Up Dated.
ダヴィンチ・セレクトへの行政処分勧告について


 平成19年2月14日付で、証券取引等監視委員会からDAオフィス投資法人の資産運用会社であるダヴィンチ・セレクト鰍ノ対して行政処分勧告が出されました。
この勧告は、昨年の秋よりJREIT投資法人の中から、オリジネーターとの利益相反が疑われるいくつかの銘柄の資産運用会社に連続して検査に入った結果判明したものと推測されます。
詳細な内容は、証券取引等監視委員会のHP、又は、2月15日付の日経新聞をご覧になれば分かりますが、端的に言うと、オリジネーター(ダヴィンチ・アドザイザーズ)からの譲受物件の鑑定価格を意図的に吊り上げて、取得価格を高く設定した事で、JREIT投資家の不利益を招いた(逆に見れば、オリジネーターの利益に資した)との内容です。
これは、所謂、利益相反取引で、投資家の利益を優先しなくてはならない資産運用会社が投資家の不利益を承知しながら、オリジネーターの利益を優先した取引を行った行為です。
今回の処分勧告は、DAオフィス投資法人の資産運用会社(ダヴィンチ・セレクト)に対して為されましたが、上場時の目論見書ではダヴィンチ・セレクトはオリジネーターであるダヴィンチ・アドバイザーズのDNA承継を高らかに謳っていましたので、これらの取引もオリジネーターの考え方の承継だと思えます。
一方、DAオフィス投資法人の株価は、上場後しばらくは公募価格割れを続けて、市場からの信頼を得られていない事が示されましたが、その後、保有資産の売却によって高い配当金を捻出する事で株価を上昇させ、直近では100万円/口にも迫ろうという勢いでした。
この株価の推移を見ると、明らかに一部投資家のミスリードだと言えますが、最近のJREITの過熱ぶりを見ると、中身のない株価を形成して喜んでいる投資家(ファンド・マネージャー?)の顔が目に浮かびます。
DAオフィス投資法人の組成資産の内容に疑義がある事は、私の上場時の評価書でも指摘しており、評価書全体も厳しい評価になっていますので、この評価書を定期的に掲載している雑誌の編集者も渋い顔をしていました。(但し、この雑誌社は私の評価書を一言一句訂正せず掲載しますし、評価書に対する銘柄側の圧力を私には伝えてきません。)
今回の行政処分勧告によって、DAオフィス投資法人等の株価がどう動くのかは分かりませんが、勧告を受けた金融庁には厳罰を期待したいと思います。
JREITという本来の仕組みと商品性を考慮すれば株価は一側面に過ぎません。
短期的な株価の上下は本来のJREIT投資にとって大した意味もない事ですので、株価に考慮する事なく、思い切った処分を下して、JREITの健全な発展の基礎を作って欲しいと願っています。
又、処分によって他の銘柄も緊張を取り戻すと思われますし、なかには自分のところもという冷や汗を流すかも知れません。
金融庁にとって一罰百戒は手続き的には疑問もあるとは思いますが、JREITの将来を考えれば、ここで厳格な処分を行うことは、長い目で見れば転轍機を作った事になると思います。
JREITも既に41銘柄に達し、投資家にとっては、個々の銘柄の判断が難しくなっていますが、投資家にも投資判断に慎重さとそれなりの努力を求めることにも繋がりますので、長期的な視点に立った判断を金融庁に期待したいと考えています。

 
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