トップ
2005.11.10.Up Dated.
ジャスダックREITについて
  
マンションデペロッパーのスターツ鰍ェオリジネーターとなっているスターツプロシード投資法人がジャスダックREIT市場の第一号として11月30日に上場を予定しています。
ジャスダックがREITを取り扱うという報道は2年前ぐらいからありましたから、ようやく第一号が登場したとも言えますが、東証JREITの新興銘柄の評判が芳しくない今の状況が、どういう影響を与えるのかは注目に値します。
スターツは、かつて、千葉のワンルームマンションを資産としたSPCを組成して出資証券を公募した事がありますので、今回の投資法人の保有資産がどのような構成になっているかもチェックポイントになりそうです。
東証以外のREITとしては、東京グロースリート投資法人(大阪証券取引所)、福岡リート投資法人(東証と福岡証券取引所に上場)がありますが、東京グロースリート投資法人の上位投資主を見ると、JREITの大口投資家である地銀等の金融機関の名前がありませんから、同様にスターツプロシード投資法人も個人投資家主体の募集になると予想されます。
発表によると、スターツプロシード投資法人の資産規模は約77億円、保有物件数は25物件ですので、東証REITに比べると、資産規模も1物件当りの規模も小振りになっています。
スターツがジャスダックに上場する理由としては、上場費用の多寡の問題もあるでしょうが、組成資産内容を見ると、投資物件の地域分布は東京城東地域、千葉県・埼玉県が中心となっていて、更に、札幌・福岡・松山・新潟にも9物件を保有するなど、東証REITのレジデンス系銘柄の保有資産とは質を異にしています。
又、建物築年数を見ても平成元年〜3年までの物件が大半を占めるなど、東証REITのレジデンス銘柄の数値(5年前後)に比べると見劣りします。
 これらの内容を見る限り、東証REITでは他銘柄と競争するのは無理がありますので、ジャスダック市場への上場となったのではないかとも思われます。
主幹事証券会社は新光証券ですが、投資家に対してどのような販売戦略を展開するのか、東証REITとの違いをどのように説明するのかは注目に値します。
東証REITとの差を明確にして、セグメントした投資家に販売する事でジャスダックREITの存在理由を示せれば、今後も第2号・第3号と続く可能性がありますので、今の東証REITの状況を見て尻込みしていた中堅デペロッパーや私募ファンドにとって朗報となるかもしれません。
その意味でも、今回のIPOには関係業界の注目が集まるのではないかと考えられますので、今後の行方を見守りたいと思います。