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2005. 9. 8.Up Dated.
J-REIT株価の変動について
  
最近のJREIT株価を見ていると変動と言うよりは、乱高下していると状態だとも言えます。
1日で1万円以上動く事も多くなり、ミドルリスクという範疇から飛び出してしまうような懸念もあります。
何故このような株価の動きにになるかについては、色々な見方があると思いますが、最も大きな要因は長期保有の安定株主が少なくなった事ではないかと思います。
従来のJREITの安定株主は地方銀行でしたが、これらの大口投資家もJREITを純投資として見る傾向にあり、以前のように保有しつつ、こつこつ買い増しするというだけではなくなったのではと思います。
一方、古参銘柄の中には、個人投資家とデイ・トレーダーを同一視していて、個人投資家層を拡大しようという意欲の少ないところもあります。
このコラムでも書きましたが、個人投資家の平均的保有期間は1〜3年と5年が最も多い比率を示していますので、これらの個人投資家比率を上昇させれば株価の変動幅は小さくなると考えられますが、積極的な動きをするのは一部の銘柄だけのようです。
株価は、投資法人・資産運用会社のコントロール範囲外にあるという理屈は確かにありますが、株主構成を考え、積極的な広報活動を行うのはミドルリスクの投資商品として登場したJREITの役割でもあります。
又、大口投資家である地方銀行等からも、以前より個人投資家を増やして欲しいという要望があったそうですが、現実には手付かずの状態が続いていました。
既に、株価上位銘柄の中には個人投資家比率は10%程度まで下がっているところもありますが、有効な策がないという理由で座視しています。
このような状態で株価の乱高下が続けば、益々個人投資家が逃げて行き、1桁台に落ち込む可能性すらありますので、ここらで本腰を入れて個人投資家拡大に動かないと手遅れになるかも知れません。
一度去った者を呼び戻すのは大変な労力が必要ですから、早期に防止して、拡大方向のベクトルを作るのが上策です。
それは証券会社の役割だと言う人も居そうですが、私の経験で言えば、証券会社のセミナーに出席する個人投資家と、このサイトで行っている個人投資セミナーに参加する人とは顔触れがかなり違っています。
又、ネット取引が多くなった今日では、大手証券会社も個人投資家のほんの一部しか捉えきれていないと思いますので、証券会社に頼るというのは言い訳にしか過ぎない感もあります。
JREITにとって個人投資家を拡大する事はメリットが多く、逆に、個人投資家の減少はデメットばかりだと言えるのではないかと思います。